ホーム / 双眼鏡の「防水」表記は機種ごとに別物で、横に並べても強い順にならない

双眼鏡の「防水」表記は機種ごとに別物で、横に並べても強い順にならない

公開日: 2026-08-29

本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含む場合があります。当サイトは楽天アフィリエイト等の 紹介プログラムに参加しており、リンク経由で商品の購入・レンタルの申込みがあった場合、 紹介料を受け取ることがあります。広告にあたるリンクには「PR」と表示しています。 詳しくは運営者情報・広告についてのページをご覧ください。

野外フェスの予報に雨マークが出ている。双眼鏡を持っていくか、置いていくか。カタログの「防水」の二文字を見て決めようとして、そこで手が止まる。機種ごとに書き方がまるで違い、横に並べても強い順に並ばないからだ。

「防水」の二文字は、機種ごとに別の言葉で書かれている

収録している機種の防水の欄を、メーカーが書いたままの言葉で並べると、同じことを指しているはずの表現がいくつにも分かれる。「防水」とだけ書く機種があり、「防水仕様」と書く機種があり、「完全防水」と書く機種があり、「窒素ガス充填による防水」と、防水である理由まで書き込む機種がある。「レインプルーフ設計」という英語混じりの言い方をする機種もある。

これは規格が存在しないからではない。JISにもIPにも等級はある。ただ、その等級をカタログのどこまで書くかは機種ごとに違っていて、こちらが手にできるのは、各社が欄に書いた言葉そのものだけだ。結果として、語の強さと防水の強さが対応しなくなる。

同じシリーズの中でも防水の書き方が揃っていない

いちばん分かりやすいのは、ひとつのメーカーの、ひとつのシリーズの中で表記が割れている例だ。

シリーズ名が同じで、対物レンズの大きさが違うだけの二機種が、別の言葉で書かれている。小型の入門機でも同じことが起きる。

「防水仕様」と「防水」のあいだに本当に差があるのか、単に書いた時期が違うだけなのかは、カタログの語からは判断できない。同じメーカーの中で揃っていないものを、メーカーをまたいで比べるのは、もっと無理がある。

ちなみに、いま並べたアリーナの三機種は、防水の書き方だけでなく重さも実視界も揃っていない。型番が同じでも中身がどこまで開くかは同じ型番の機種を重さと視界で並べ直した記事に機種名つきで出してあるので、防水の語で決めきれないときは、そちらの数字のほうが選ぶ手がかりになる。

等級を数字で書いている機種と、言葉だけの機種が同じ社の中に混ざっている

実務でいちばん効くのがここだ。防水の欄に、耐えられる水深と時間、あるいはIPの等級を数字で書いている機種がある。一方、数字を一切出さず、言葉だけで済ませている機種がある。そして、この二つはメーカーで分かれていない。同じ社の中に、両方が入っている。

言葉だけの側を並べるとこうなる。

ところが、いま挙げた三社からは、数字を出している側も同じように出てくる。

サイトロンでも、社の中で書き方が割れている。防振ではない機種の欄は、収録しているかぎりどれも「完全防水」の一語だ。一方、防振の機種で防水が書かれているものは、どれもIPの等級を添えた書き方になっている。さらに、防振の機種には防水の記載そのものが無いものもある。同じ社の「完全防水」だけを見て手元の防振機も同じだと思うと、いちばん知りたかったところで逆の答えを持つことになる。防振機については、公式が防水をうたっている機種と、記載が無い機種と、公式ページ自体が消えていて確かめられなかった機種を分けて並べた防振双眼鏡の防水表記だけを追った記事がある。防振を候補に入れているなら、自分の候補がその三つのどれに当たるかを先に見ておくと、ここで取り違えずに済む。

Kowa GENESIS 22 8×22 は「窒素ガスを充填した防水構造・完全防水設計」と書いたうえで、「水中での使用は不可」という但し書きまで付ける。この但し書きは、収録しているKowaの機種すべてに付いている。

数字を出している機種と出していない機種を横に並べると、数字を出したほうが弱く見える。 水深と時間が具体的に書いてある機種より、「完全防水」とだけ書いてある機種のほうが強そうに読めてしまう。実際には逆の読み方もできる。数字が書いてあれば、どこまでなら耐えると言っているのかがこちらで分かる。「完全防水」の一語からは、それが分からない。カタログの語の強さは、その欄をどう書いたかであって、性能の順位ではない。

「防滴」は、防水とは別の言葉として使い分けられている

収録している中で「防滴」と書かれているのは、このシリーズの二機種だけだ。同じペンタックスでも、防水について何か書いてある他の機種は、すべてJISの保護等級を数字で書いている。同じ社が、等級を書く欄と「防滴」の一語で済ませる欄を使い分けている。「防滴」を他の機種の「防水」と同じものとして横に並べることはできない。 ただし、防滴と書かれた機種がどこまで耐えるのかは、このサイトが持っている表記からは分からない。

雨のフェスで、防水表記から読めることと読めないこと

読めるのは「メーカーがその機種を濡れる状況を想定して作ったかどうか」まで。読めないのは「どのくらいの雨に、どのくらいの時間耐えるか」だ。後者を知りたいなら、語ではなく、その機種の欄に数字が書かれているかどうかを見るしかない。数字が無ければ、その機種について雨の量は約束されていない、と受け取るのが安全だ。

見るのはメーカー名ではなく、機種の欄だ。同じ社の中に、等級を数字で書いている機種と、言葉だけの機種と、防水について何も書いていない機種が混ざっている。社の名前で覚えると、そこを取りこぼす。

そして、雨に耐えるかどうかと、推しの顔が見えるかどうかは別の話だ。どれだけ濡れても平気な双眼鏡でも、倍率と席が合っていなければ表情までは届かない。そもそも雨に濡れるのは屋根のない会場で、そういう会場ほどステージが遠い。たとえば横浜スタジアムのウィング席最上段からの距離を先に見ておくと、防水表記より前に決めるべき倍率のほうがはっきりする。

自分の席での見え方を試す

出典

ホーム・会場から探す・読みもの・このサイトについて

最終更新: 2026-08-29